マリー・クリスティーヌ プロヴァンス ロゼ
人魚に涙は無い。
"She glanced at the sharp knife and again fixed her eyes on the prince,
who whispered the name of his bride in his dreams.
(握りしめたナイフの鋭い切先をじっと見て、人魚はその目を再び王子に移した。
王子は寝言で花嫁の名を呼んだ。)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=285x1024:format=jpg/path/sa5e1239620e5193e/image/ia3d079f35a12fdbf/version/1479670282/image.jpg)
She was in his thoughts, and the knife trembled in the hand of the little mermaid—but she flung it far from her into the waves.
(この人の頭の中は花嫁のことでいっぱい-
手の中でナイフが震えた。その時、人魚はそれを思いきり遠く波間に投げ棄てた。)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=314x1024:format=jpg/path/sa5e1239620e5193e/image/i6256f4f398a120a8/version/1479671962/image.jpg)
The water turned red where it fell, and the drops that spurted up looked like blood.
(ナイフが落ちた所の水が赤く変わって、吹き出したしずくがまるで血のようだった。)
She cast one more lingering, half-fainting glance at the prince,
then threw herself from the ship into the sea and felt her body dissolving into foam."
(今一度、人魚は半分虚ろな目で王子を見た。そのせつな、船から身をおどらせて海に飛びこんだ。
そしてみるみる体が泡になってとけていくのを感じた。)
ハンス・クリスチャン・アンデルセン作
J.H.スティックニー編 Little Mermaidより
ディズニーのリトルマーメイドは、めでたく王子と結婚しますが、アンデルセンの人魚姫は愛が成就せず、泡になってしまいます。
泡と消えた人魚がその後どうなるのか・・・このお話にはあと少し続きがあるのです。
原作によると、人魚は涙を流して泣くことができないのだそうです。
それでもこのお話には、目には見えない人魚の涙がふたつ出てきます。
ひとつめは「王子の愛を得られなかった嘆きの涙」
そしてふたつめは・・・それはまた別の機会、別の作品で。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=260x1024:format=png/path/sa5e1239620e5193e/image/i8a44e2e808182079/version/1479667980/image.png)
瓶はマリー・クリスティーヌ プロヴァンス ロゼ(375ml)。
形が壺のようにも、魚のようにも、涙のようにも見え、タイトルを「涙」にしました。
ワインは輝きのある美しいサーモンピンクで、甘くはなく、爽やかでドライな味わい。
香りは強くありませんでしたが、花のようにフレッシュな感じでした。
アルコール度数が高めだったらしく、いっぺんに飲んだらお酒弱虫の私はへべれけに。
コメントをお書きください